ラーマの日記

saiyans.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:将棋( 12 )


2018年 02月 16日

BCM SHOGI というソフトの可能性


ドイツ人のボードゲーム愛好家が制作した「BCM Shogi」は使えるかも。

棋譜解析に「BONANZA6.0」を組み込めるので、かなり信頼性の高い解析が期待できる。


「Bonanza V6.0」の組み込み方


「BCMGames」フォルダ内の「engines_0.ini」の内容を以下のように書き換えて、上書き保存する。

a0311886_02500753.jpg


次は「USI」フォルダ内に、新たに「Bonanza」フォルダを作り、その中に「V6.0」フォルダを作る。


保木さんのホームページから「bonanza_v6.0」をダウンロードして、「bonanza_v6.0」フォルダ内の「winbin」内のファイルを、「V6.0」フォルダに移す。

「将棋ソフトのページ」からダウンロードした「u2b.exe」も、「V6.0」フォルダに置く。


私の場合は「Spear」は使わないので削除してある。

Bonanza同士を対局させると時々、先手・後手が一手ずつ指した後、対局が止まってしまうことがあるが、これはUSI制御用プログラムである「u2b」に起因する問題かもしれない。というのは、「将棋所」の作者さんが提供する「Bonadapter」の場合も、「将棋所」での対局時に停止することがあるから。

でも、何回か対局を再開したり、一度ソフトを閉じてから再起動すると動くようになるので、65%ほどの信頼度かな。ユーザーからのバグ情報をログに記録して、自動的に作者に送信する機能を付ければ、早期の改善が期待できると思う。

Bonanza同士を一度対局させると「V6.0」フォルダ内に「u2b」の構成設定ファイル(1kb)が出来るが、この中の「Threads」を2に変えれば、2スレッドで動作する。


TimeControl=Time
TimeA[min]=0
TimeB[sec]=3
Resign=32596
Memory[MB]=512
Nodes=100000
Depth=5
Threads=2
UseBook=true
NarrowBook=false
Ponder=false
StrictTime=false


a0311886_04291348.jpg


a0311886_01551140.jpg


この後、やはり何回かに一度停止するのがイヤで、「「u2b」を「Bonadapter」に変えたところ、全く停止しなくなった。

「engines_0.ini」を以下のように修正。

a0311886_02512291.jpg


ここまで質の高い将棋用ツールをドイツ人に作られたことに、私は落胆の色を隠せない。

「日本にだって『マイボナ』があるわい」と思ってみても、棋譜解析グラフがソフトを閉じると消えてしまったり、多数の言語に対応できていなかったりで、なんかコンプレックスを持ってしまう。マイボナの作者さんは利用者との交流を望まないのか、こちら側の要望を伝えられないので、いつも歯がゆい思いをしている。

「もうマイボナと柿木将棋Ⅸで決まりでしょう」と思っていたが、まさかこんなに凄いソフトがドイツ人によって作られていたとは・・・。久々に将棋熱が高まりそうな予感。

マニュアルが無いので、これから手探りで使い方を探ってみるのだが、保木邦仁さんがもたらしたブレイク・スルーに次ぐ感動が、将棋ファンを熱くするかもしれない。



追記

「engines_0.ini」の内容を書き換えるのは、OSの動作に不安定さをもたらすことがあるので、いろいろと設定を試す時は注意が必要。もしOSが不安定になったら、「システムの復元」で対処すると直る。




リンク

BCMGames_final

BCMShogiの棋譜解析がスゴいのでBONANZA6.0で解析させる

[PR]

by saiyans | 2018-02-16 01:57 | 将棋
2018年 01月 11日

棋譜紹介に「フラ盤」を導入する


長手数の詰将棋を紹介したい時に、画像でキャプチャーするとコンパクトにならないので、「フラ盤」というものを使わせていただくことにした。


アニメーション付 棋譜再現プレーヤー「フラ盤」


残念ながらエキサイトのブログはフラッシュ・プレーヤーを貼り付けられないので、Google・BloggerとHatenaブログで紹介することになる。


フラ盤の貼り付け方

ダウンロードした「フラ盤」のフォルダには8つのファイルが入っているが、その中の「flaban.swf」というファイルのみを使う。

棋譜ファイルは柿木形式のKifファイルか、CSA形式の2種類が使える。

ファイルのアップロード先には、ヤフー・ジオティーズのサーバーが使えるということで、早速ホームページを開設し、そこに上記の2ファイルをアップした。


a0311886_02565140.jpg



「tumeshogi」というフォルダを作って、2ファイルをこの中に入れた。

a0311886_02575614.jpg



「アイコン形式で見るボタン」を押すと見易い。
a0311886_02581969.jpg



「flaban.swf」をクリックすると、フラ盤がデカデカと表示されるが、この時に出た左上のアドレスをコピーする。
a0311886_02591196.jpg



次に「hachidaime・Kif」とした棋譜ファイルを右クリック → 情報 → コピー。
a0311886_02594918.jpg

a0311886_03001077.jpg



「フラ盤タグメーカー」のページに、先ほどコピーしたヤフー・ジオティーズのアドレスを入力し、下段には 「Kifファイル名」を入力。「Kifファイル名」は、アルファベット以外は受け付けない。
a0311886_03005865.jpg



「確定ボタン」を押すと、タグが出力されるので、これをコピーし、ブログのHTML入力画面に貼り付ける。
a0311886_03020692.jpg



Hatenaブログでの出力例。


Bloggerでの出力例。



参考資料

masagokkoの将棋ブログ

[PR]

by saiyans | 2018-01-11 03:09 | 将棋
2017年 04月 11日

囲碁の次は音楽が模倣されるな


保木邦仁さん考案の、将棋の機械学習は、10年を経て囲碁プログラムに応用されたようだ。井山裕太さんが囲碁ソフトに負けたと聞いて、そう確信した。

囲碁の世界も棋譜データのライセンス管理はサッパリのようで、放任していた結果、将棋界と同じような結果になってしまった。

保木さんは確か、分子の振る舞いを制御したりするプログラムを研究室で作っていたと言っていた気がするが、それを応用して作られた「Bonanza」の場合、局面の展開をそのように導く制御理論の発想が、海外の囲碁プログラマーたちにも 「有効」 と判断されたのだろう。

以前からGPUのクロック・スピードの方が、CPUよりも速いというのは聞いて知っていたが、それをすかさず使ってくるあたりは流石に抜かりない。

プロ棋士の棋譜データだけでは、それ以上に強くなれないので、コンピュータ同士が対局した棋譜データを集めて学習させている、というように書かれた記事にはカチンときた。

思考プログラムについては、オープン・ソースだから誰でも真似してよい、という発想もキライ。世界コンピュータ将棋選手権も、そのせいで興味がなくなったから。


もう日本棋院での対局にも、地方でのタイトル戦にも、電子機器は持ち込み禁止になるだろう。将棋界と同じだ。紳士協定の崩壊。良き伝統の崩壊だ。


残るは音楽だが、もしMIDIデータに著作権が無かったら、将棋界や囲碁界のように、「蹂躙」とまではいかなくても、権利を脅かされると思う。

ジャンルによる楽譜の選別や、曲の形式、タイプがあり、コード進行、リズム・パターン、フレーズ、リフの種類、OP・EDのパターンなどがあって、どー見ても真似される可能性100%だ。

音楽も12音階が7つと半あって、これは将棋盤や碁盤の場合と同じだ。どこにでも打てるけど、規則、ルールがあって、それから外れると作品にならない。

問題はどうやって機械学習させるかだ。保木さんは「将棋というシステム全体を制御する」という方向性でボナンザを制作したと言っていたが、「音楽というシステム全体を制御する」というとき、どうやって実現させるのだろう?

将棋や囲碁の局面数は天文学的らしいが、音楽はおそらく、それよりも深い。しかし、将棋や囲碁のソフトが、人間の対局した「棋譜」を拠り所にしたように、やはり学習には「楽譜」が要るのだ。

最終的に、「局面を収束させる」という時、人間は無意識的にその「収束」をやってのけてしまうが、音楽もオープニングから始まって、自然にエンディングまで持って行ってしまうのだから、やはり人間というのは、霊長類と呼ばれるだけあるのだ。

コンピュータが「音楽」を理解したとしても、「神」だけは無理だと思う。これだけは人間だけに許された感性が必要になる。

仮に聖者と言われる者が将棋を指したら絶対に負けないだろうが、それは彼らが欲望、執着、偏見、憎悪というものを除き去っているため、障害物が無いからだ。意識がクリアで、想念の妨げが無いため、潜在意識や無意識を超えた、超越意識(アートマン)が解答を瞬時にはじき出す。

確かにプロは負ける時が来るだろうが、聖者を含めた人類まで負かせると思ったら大間違いだ。最後の頼みの綱は、神と一体化したアマチなどの超越者だけだが、彼らは欲望が無いため、ゲーム自体をやらない・・・。これだけが問題かな。



参考資料

「ボナンザ VS 勝負脳 ― 最強将棋ソフトは人間を超えるか」(角川 one テーマ21)
渡辺明 著 保木邦仁 著

「将棋世界ムック 第3回 将棋電王戦公式ガイドブック」 マイナビムック
将棋世界編集部ほか 著

「ウパニシャッド」
シュリ・サティア・サイ・出版物日本刊行センター
サティア・サイババ 著 若林 千鶴子 翻訳

「Bonanza」の作者、保木さんにインタビュー!(前編)」

「Bonanza」の作者、保木さんにインタビュー!(後編)」

「『囲碁の謎』を解いたグーグルの超知能は、人工知能の進化を10年早めた」


[PR]

by saiyans | 2017-04-11 01:01 | 将棋
2016年 09月 03日

将棋と音楽の具体的な学習方法


将棋の学習法の1つである”棋譜並べ”では、何も駒が無い場所(升目)に駒を置いて並べる。視覚と触覚による情報入力だ。

音楽の場合も、楽譜を見ながら、それをピアノで弾きつつ、音を置いて”並べる”。また、何も音符が無い場所(空の五線紙上)に音符と休符を置いて並べる。視覚、聴覚、触覚による情報入力。

バッハの曲も、全ての曲が名曲とは思えないので、まずはバッハの楽譜(MIDIデータ)を選別する。


私的には、幼児の幼稚園通いは必要無いと思っている。タレントのタモリさんは幼稚園に通園したことが無いそうだ。女優の山本未来さんは逆に幼稚園だけ行って、その後の義務教育課程は受けていないらしい。これは父親の山本寛斎さんの教育方針だという。

ベートーベンは小学校を卒業していないが、そのことで後世の嘲りを受けるようなことはない。それどころかアメリカのバークリー音楽大学だろうが日本の芸大だろうが、ベートーベンの楽典がテスト問題になっているのだ。天才は学校を必要とせず、凡才は必要とするのだと思う。”楽聖”と呼ばれていることからも分かるように、自分の仕事を聖なる祭祀として行い、その結果は神に捧げるという境地に達している以上、これはもうインドのヨギ(ヨーガ行者)と変わらない。ベートーベンは音楽という仕事で、自分の生を神聖なものに変えたのだ。

人の最終目標は心を清めて天の王国に入ること(解脱すること)なので、神への愛さえあれば充分なのだ。神が求めているのはバクタ(信者)ではなく、バクティ(神への信愛)なのだとサイババは言っていた。


以前、高校には行かずに、その3年間は家で勉強して、東大を受験して合格した子供の一家がテレビで紹介されていたが、「勇気あるなー」と思った。その家の親御さんにとっては、高校での体育や文化祭や修学旅行などといったものは、我が子のコヒーレント性を奪うだけのものなのだ。だが、子供にそれだけの「冒険」をさせるには、親自身も充分なパーソナル・パワー(個人の力)を持っていなければならない。「こうすれば行ける(受かる)」という学習メソッドも出来上がっている必要がある。

元々、高校に行くこと自体は義務ではないのだが、なんとなく行かされてしまう。誰もそのことに疑問を持たない。世の中、自分の技能を仕事にして通用すればOKなのに、「技能獲得よりも学校の勉強が大事」という、変な社会通念がある。これは私たち、間違いに気付いた世代が改善していかないといけない。


バッハは聖書を愛読していたから、イエズス会系、ミッション系の幼稚園には行っておくと良いと思う。祈りも初期に身に付くし、祈りが楽曲という形で昇華されて出来たのがバッハやベートーベンの作品だろうから、早期に”絶対神感”を体得しておけば、バッハたちの言わんとする聖歌のエッセンスを感覚的に理解できるだろう。


トップ・プロ棋士同士の棋譜に「次の一手」や「詰将棋」が含まれているように、バッハの音符を”並べる”ことに、絶対音感、聴音、ソルフェージュの体得も含まれているはずだ。


将棋棋士の藤井猛 九段は以前、こう述べていた。

「大山(康晴)先生と中原(誠)先生の全盛期時代の棋譜を並べてから実戦を指すと、それを手が覚えてて、いい将棋を指せるんですよ」

音楽家も、曲を作る前や、演奏する前にバッハの曲を弾いておくと、それを頭と体が覚えてて、いい曲が作れたり、いい演奏ができると思う。

藤井九段は、「並べない時は全然、いい手が浮かばなくてね」とも言っていた。相対将棋感や相対音感の人は、上手の棋譜や楽譜を並べて脳内評価値を調整してからでないと、正しい感覚からズレてしまうのだ。多分。

それと、学習の途中で一度眠ってしまうと、イメージが繋がらないかもしれない。つまり、脳内で最適化されない・・・。一局並べる時は、目覚めている時に一気にやるのが良いと思う。将棋ソフト「ボナンザ」も機械学習をさせる時は、途中で止めたりせず、ぶっ通しでやっているようだった。

目で見てるだけでは絵は巧くならないが、将棋と音楽も見たり聴いたりしているだけではダメなのだ。コピー(巧い人のを真似る)しないと。

我が子に音楽と将棋を教える際の学習メソッドの確立が必要だ。

まず、自分の奥さんには母胎内の赤子のためにバッハを聴き続けてもらう。胎教だ。霊性のグル(導師)であるドンファンは、「受胎の瞬間から意識の成長は始まる」と言っていたので、母胎内に居る十月十日はバッハだけ聴いてもらう。それとサティア・サイババの本を熟読してもらう。法華経も毎日読んでもらう。食事は肉食を避けてもらい、テレビ、ラジオ、ネットは見ないでもらう。

赤子が生まれたら、目が開くと同時にサティア・サイババの写真を見せ、次にピアノの鍵盤に触れさせる。次に将棋駒。

2歳で将棋のルールを教えた後は、ひたすらBonanza6.0同士の10秒将棋を見せ続ける。
Bonanzaが一手指すごとに、目の前の将棋盤上の駒を移動するように教え、身に染み込ませる。Bonanza6.0以外は一切見せない。Bonanzaは入玉将棋が苦手なので、そういう将棋になったら、もう一度初手からやり直す。

渡辺明さんの2007年当時の話によると、BonanzaVer2.1(あるいはVer3.0)は、「10秒将棋であっても、70%~80%の力は出してくる」ということだった。Ver6.0はVer3.0の半分くらいしか手を読まなくてもVer3.0を負かすので、10秒あれば100%の力を出せるはずだ。

音楽の場合は「レコンポーザ/ 98 Ver3.0」でバッハの演奏データを見せ続け、それをMIDI鍵盤で弾かせつつ、音符・休符などを五線紙に書き写させる。バッハ以外は一切聴かせない。視覚、聴覚、触覚を動員して覚えさせる。体得だ。それと、信仰、音楽、将棋以外に子供の知性が分裂しないように気を付ける。

「レコンポーザ」の演奏画面で左側の数値データを紙で隠し、音符と実際の音を対応させられるようにする。またはタスクマネージャのWindowで隠してもいい。

ラーマクリシュナ・パラマハンサは、「幼い頃は算術が苦手で参ったよ」と言っていたが、ブラーミン(僧侶)は計算高いと純粋性を失い、祭祀に相応しくなくなるため、少年時代は計算は教えない方が良いのだと思う。 「幼少期に寺子屋に行っただけだった」とラーマクリシュナの伝記には書かれているが、だから純粋性と敬虔さが維持されて、イエスのように神を実現できたのだ。「行っただけ」の「だけ」とは、あくまでも世俗性から見た時の見解であり、霊的な職務遂行のためには必須条件ではない。と言っても自分の子供はブラーミンではないにせよ、5歳まで、できれば12歳までは純粋性を維持させたい。13歳になったら、四則の計算くらいは教えてもいいかもしれない。

現代の情報化社会では、レコード会社に実力を認められなくても、個人で楽曲を制作してAmazonなどで売れるので、彼または彼女が作った曲は親がネットにアップしてあげて、売上に応じた報酬を通帳に振り込まれるようにしてあげればいい。プロモーションにはYouTubeを活用し、1曲1分ほど試聴できるようにして、気に入ってもらえたらダウンロード購入してもらう。


天野宗歩は二人居なかったので、「宗歩 対 宗歩」の対局は不可能だったが、Bonanzaは宗歩の棋譜も精緻に学習している。序盤の定跡はパーフェクトに記憶しており、中盤も強く、寄せも鋭い。将棋はコンピュータ+将棋ソフトが教師になれるのだ。音楽はレコンポーザとバッハのMIDIデータが教師になる。

日本語会話や英会話の早期学習のように、感覚的に覚えてしまうと楽だ。言わば将棋語と音楽語のバイリンガル。特に音楽は世界の共通語なので、学んでおくと将来有利だ。

左脳と右脳がバランスよく発達するように、1日目は右手で駒を並べて、次の日は左手で並べるといいかもしれない。左脳は右半身と繋がっていて、右脳は左半身と繋がっているそうだ。

音楽のレッスン内容としては・・・

各12音階で「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を単音で弾かせる。何度も反復して、おさらいさせる。

次はトライアド(3和音)で各12音階をド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド反復練習。

次は7th(4和音)を各12音階でド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド

次は9th(5和音)の各12音階でド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド

そして、「これなーんだ?」と音だけ空間に放ってみて、ピアノで正確に再現できたら、絶対音感体得・・・のはず。


以下、コナミのビデオ・ゲーム「沙羅曼蛇」のBGM担当だった東野美紀さんのインタビュー記事を紹介したい。早期音楽教育のノウハウとヒントが隠されているのだ。

「私の音楽的バックボーンを作ったのは、父親の趣味であるクラシック音楽だったり、6年間通ったミッション・スクールの教会音楽だったと、今なら言えますね。」

「初めて作曲したのは幼稚園の頃で、短い歌。楽譜も残っています。ピアノだけでなく、ソルフェージュや聴音も習っていました。小学生の時には作曲塾のようなものに通っていました。どういうレッスンだったかというと、ある曲を「ショパン風やベートーベン風に即興でアレンジして弾きなさい」と言われたり、クラスターで(いっせいに)音を鳴らして聴音する、など。今思うとマニアックな先生でした。」


すぎやまこういちさんと坂本龍一さんは幼少期にベートーベンのスコアを学習して自分の音楽的脳内評価関数(音楽的大局観)を調整・最適化している。幼い頃、まだ心が純粋な内に、身に染み込ませたから、その高い評価値というフィルターを通して、インスピレーションが外部出力されるのだ。ベートーベン自身もバッハ・フィルターを通していたから、あそこまでの音楽を出力できたのだと思う。

「父親(神)は、面倒をみていることを子供に気づかせないものです」とサイババは言っていたが、バッハ(音楽の父)も、面倒をみていることを子供(学習者)に気づかせないのだ。



参考文献

「ボナンザ VS 勝負脳 ― 最強将棋ソフトは人間を超えるか」(角川 one テーマ21)
渡辺明 著 保木邦仁 著

雑誌 「ゲーム・サイド」 ゲーム 作曲家インタビュー第20回 東野美紀


[PR]

by saiyans | 2016-09-03 11:54 | 将棋
2016年 06月 01日

仕事は結果を生む。佐藤天彦さんが新名人に


佐藤さんは奨励会三段の時に、瀬川晶司さんのプロ試験第一局の相手を務めた。

瀬川さんに勝利した後の記者会見では堂々とした受け答えで、早くも大器の気風を漂わせていた。

正月のNHK将棋特番では、稲葉陽さんとの超早指しで、途中五手詰があったのを見逃したことで舌打ちしてしまったことを、局後に番組パーソナリティーの神吉宏充さんに打ち明けていたが、この時に佐藤さんが「ここで実は五手詰で詰んでるんですよね」と言った時、ゲストだった羽生善治さんの顔が一瞬真剣になったのをTVカメラは捉えていた。あれは羽生ニラミに近い、局面図への透徹した眼差しを彷彿とさせる表情だった。

日頃からの高潔さが、佐藤さんを棋界最高位にまで押し上げたのだと思う。奨励会の時も次点を獲得してフリークラス入りできたのに、それを潔しとせず、再びライバルたちの待つリーグ戦へと戻って行った。

新人王戦で優勝した時の対局後も、腕組みしている佐藤さんはカッコ良かった。

米長邦雄さんは雑誌で連盟の棋士たちを紹介するコラムを執筆していたが、佐藤さんが「無双」と「図巧」を解く時に使った工夫を紹介していた。

A級八段でもカッコイイのに、今度は九段だ。私は佐藤さんの趣味であるファッションは理解できないが、クラシック好きな点は理解できる。おそらく将棋と音楽って似てる、と思っておられるのではないかな。

故郷に錦を飾り、多分地元の議員さんや後援会の方々からも祝福の電報が届くだろう。久保利明さんも初タイトル獲得時には沢山届いたそうだ。谷川浩司さんが初めて名人を獲得した年末に、NHK紅白の審査員に招かれたはずだから、佐藤名人も呼ばれると思う。

これからは渡辺明さんも 「天彦」 と、慣れ親しんだ感覚では、佐藤さんを見なくなるでしょう。渡辺竜王と佐藤名人の対局が見物だ。

棋士は終局後に感想戦ができるが、私にはこれが羨ましい。

かつて、ジ・アルフィーの坂崎幸之助さんのラジオ番組に高橋幸広さんがゲスト出演したのだが、坂崎さんは幸広さんに対して 「YMOが出てきた時は、ウチら仕事無くなるかと思いましたわ」と言っていた。

将棋界も最近はコンピュータ将棋の台頭で、プレッシャーがあったようだが、そう易々とプロ棋士の職域は侵されないと思う。

BONANZAのような将棋ソフトがテクノなら、プロの将棋は生のライブだ。ピッキングミスやタッチミスも時にはある。音楽のライブは既に作られた曲をなぞるので、これは棋譜再生に似ているが、人間同士の指す将棋はその場で作曲(作局)する。JAZZのように、アドリブ演奏が最後まで続く。

私が興味があるのは、コンピュータ将棋の1コア対人間の勝負だ。

人間は基本的に2つのことを同時に思考することができないので、1コア仕様なのは明らかだ。でも、コンピュータ将棋は幾つもの筋を並列して同時に計算できる。渡辺明さんは対BONANZAの時に、8人(8コア)と指していたのだ。1人のイチローに、8人の松坂が同時に玉を放っていた。清水市代さんの時なんて、まるでイジメだった。

私はBONANZAと佐藤さんの真剣勝負が観たい。渡辺竜王とBONANZAの対局も繰り返しビデオで観ているので、佐藤名人とBONANZAの将棋も、ぜひコレクションに加えたい。





参考資料

「将棋世界」 日本将棋連盟

「将棋の天才たち」 講談社
米長 邦雄 著

「ボナンザ VS 勝負脳 ― 最強将棋ソフトは人間を超えるか」 (角川 one テーマ21)
渡辺明 著 保木邦仁 著

NHK衛星第2テレビ『運命の一手 渡辺竜王 VS.人工知能・ボナンザ』2007年放送

「泣き虫しょったんの奇跡」 講談社
瀬川 晶司 著

「棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男」
日本将棋連盟書籍(編集)

「バガヴァン シュリ サティア サイババとの対話」 サティア サイ オーガニゼーション ジャパン刊
J・S・ヒスロップ 著 牧野 元三 監訳


[PR]

by saiyans | 2016-06-01 02:10 | 将棋
2016年 05月 14日

将棋と音楽の学習方法を変える


長年 将棋をやってきて分かったのは、強くなるにはまず最初に、トッププロ同士の棋譜を並べて、その感覚を自分の物にしてからでないと、学習時間が無駄になってしまうということだった。

音楽であれば、まずはバッハのコピー(真似)が大事で、繰り返し鍵盤で弾いて、そのセンスを身に染み込ませる必要があるのだ。

確かに「レコンポーザ/ 98 Ver3.0」などの作曲用ソフトで1から自分の稚拙なメロディーを入力し、コード(ハーモニー)を付け、ベースを入れ、ドラムスを入力するのは面白いのだが、そうしたやり方では音楽センスって上がらないのだ。とにかくひたすら音符を追いかけて、鍵盤で弾きまくる。真似しまくるのが1番の近道だと気付いたのが最近なのが情けない。

同様に将棋の場合も、私のこれまでのやり方は「1日3局Bonanza6.0と指す」というものだったが、5月に入ってから止めた。「これってレコンポーザに稚拙なメロディーやコードを入力することと同じだ」と分かったのだ。

Bonanzaと対局する時も、自分で適当に1から指して1手1手 駒を進めて行くことができるのだが、やはり棋譜並べを経ていないため、所々でBonanzaに的確に咎められてしまう。

音楽は基本1人で作るので、全部が自分だが、将棋は先手と後手で2人なので、100%自分の表現とはならない。そのためBonanza6.0同士を双方 秒読み60秒で対局させて、局後に棋譜再生し、「これはカッコイイ」という棋譜を並べるやり方に変えた。

「その日の調子」というのは脳内評価関数の上下であり、人の場合は日によって相対的に動いてしまうが、将棋ソフトは一定で安定している。Bonanzaという、棋力が全く同じソフトが先手・後手を持って指すため、事実上1人の強い人が1人で対局したことになり、音楽家の作曲した作品のように、初手から終局までが均衡の取れた状態で結果する。

音楽では、基本形はバッハの4パート譜で、次は応用で8パート。次は16パートというように移行していく。

意外だが、バッハの楽曲というのは音数自体はそれほど多くない。少ない音を巧みにやり繰りして巧く鳴らす。”駒落ち” ならぬ ”音落ち”から入れば、少ない音数で工夫せざるを得なくなるため、技を習得し易いと思う。


チェスは8×8=64升のボード上で、先手16駒と後手16駒の計32駒を用い、盤上に自分を表現する。将棋は9×9升=81升で、先手・後手とも20駒を使って勝負する。

そうは言っても、実際にはバッハの曲にも好みがある。1000曲以上作っていても、正直言って「別に・・・」という曲も沢山存在する。全体で見たら野球ではないが、3割打てれば上出来だと思う。10曲あったら3~4曲でいいのだ。将棋指しの棋譜も、棋譜再生してみた時に、自分的に「あんまり・・・」という対局が存在する。これもまた10局あったら3局くらいに落ち着くのだ。

”これぞ将棋の精髄”、”音楽の精髄”と呼べるものを厳選してコピーする。全てのウパニシャッド(聖典)の精髄と言われる「バガヴァッド・ギーター(神の詩)」 も、全部で18章あるが、この18章中の精髄が ジャパ・ヤジュナ(念誦の祭祀。神の名を唱えること)という たった1つの奥義に収斂されるのだ。

日本国は英語名がジャパンで、日本人はジャパニーズと来れば、これは究極を意味する。”ジャパがニーズに合う国民”という意味に解せれば救いになる。法然の時代から”南無阿弥陀仏”と唱えてきた常習が生きて、唱え続けることで最終的に解脱できる。

[PR]

by saiyans | 2016-05-14 09:38 | 将棋
2016年 04月 30日

古典への回帰


将棋GUIの「マイボナ」がバージョンアップされたのと同時に、6万局以上の棋譜データ・2016年4月24日版もダウンロードできたので、今季の女流名人戦の棋譜データを見てみると、清水市代さんが里見香奈さんに善戦していた。

2010年の「あから2010」との戦い以降も、清水さんは家にある将棋ソフトと対局を続けていたと思われる。


渡辺明さんはコンピュータ将棋について語る時、 「コンピュータは間違えない」 という言葉をよく口にする。Bonanza6.0同士で対局させると決着が付くから、コンピュータ将棋にもミスは出るのだが、もうトップ・プロでさえ気が付けないほどの次元で一手が選択され、着手されているのかもしれない。

人は、その日の調子などに影響されるが、コンピュータ将棋は一定で安定した棋力を出せる。

以前、森下卓さんは、王位リーグに復帰できたのも、将棋ソフトとの練習対局が大きいと言っていた。

佐藤天彦さんも以前TV番組でコンピュータ将棋の実力を 「もう まったく油断ならないです」 としていた。2010年時点で、レーティングが3000点近い人が見ても、プロの指し手と遜色なかったのだ。

以前は研究会などでも、人間同士だと研究手をその場では披露せず、公式戦でぶつけるなどがあったそうだが、コンピュータは新手でも惜しみなく対局相手に示してくれる。隠し事が無いのだ。

島朗九段が当時、奨励会員だった佐藤康光さんや森内俊之さんを研究会に誘ったのも、その頃彼らはA級にいなかったので、惜しみなく披露する彼らの新手をプロの公式戦でぶつけられたのだ。

先生や目上の人への尊敬というのは、運を上げるので、この時、島さんや米長さんに奉仕したことで、それが徳の貯金となり、羽生世代は勝ち続けているのだ。


清水さんの家にあるパソコンは2010年製のCore i7搭載パソコンではないかと思うが、「あから2010」 と対局する前に、たくさんコンピュータ将棋と対局して入念な準備をしたそうだから、ソフトの検討機能も有意義に活用しているはずだ。

元々プロ棋士は棋譜を無償で将棋プログラマーたちに提供しているので、公平な交換が成り立つ。将棋ソフトを棋士たちが個々人で使用してもズルにはならない。

おそらく清水さんの1日の練習メニューとしては、持ち時間2時間で対局した後、途中で疑問に思った局面で長考し、考えがまとまった所で、パソコンの見解を見てみると、「自分が最善とした手と違うな」 ということで学習し、そういった感覚を実戦で真似してみると接戦になるなどの効果を肌で確認できた清水さんは、そうして修正した自分の大局観を公式戦でぶつけているのだ。

おそらく清水さんと対局している里見さん本人が1番それを実感しているハズだ。

あたかも島朗さんや米長邦雄さんが若手のフレキシブルな新手を公式戦でぶつけたように、清水さんはコンピュータ将棋との対局で得た新手を里見さんたちにぶつけているのだ。

今回の女流名人戦は里見さんが制したが、清水さんも2発入れたので、満足だったと思う。もともと清水さんは終盤が鋭く、寄せを間違えない人だが、今回もやってくれた。見ごたえある終盤だった。私は清水さんの本 「清水市代の将棋トレーニング」 も買ったが、詰将棋問題も、いきなり17手詰を出題するなど、「厳しいなー」 と思ったものだった。


モーツァルトやメンデルスゾーンはバッハの古典作品を学び直して、自分の作品に彩りを添えたが、本当は学習する際、ベートーベンのように、直でバッハに行くのが賢明かもしれない。ベートーベンの作品にはバッハの音楽的大局観が生きているからだ。

最近では久石譲さんもベートーベンを学び直しているそうだが、様々な分野で、古典への回帰というのが起こっている気がする。詰将棋作家の若島正さんが江戸時代の詰将棋集 「無双」、「図巧」を学び直しているというから。

今の子供たちは、直でBonanza6.0に行くのがイイかもしれない。Bonanzaは江戸時代の将棋御三家である大橋家、大橋分家、伊藤家の棋士たちの棋譜ほか、天野宗歩のような大橋宗桂門下の棋士たちの棋譜も学習して、古典のエッセンスも吸収しているからだ。言わばバッハも学習済み。この点で、古典をさほど顧みない現代のプロ棋士たちをBonanzaは超えている。歴史にも学んでいるのだ。

それにしても保木邦仁さんの登場以前と以後では、将棋界の内実が様変わりしてしまった。 まさに機械学習様々だ。個人的には保木さんに何か賞をあげてほしいのだが、ノーベル賞は外国の賞なので、「ドクター中松賞」とか、保木さんにあげられないだろうか?世界への貢献度から言っても、その器だと思うのだが。

[PR]

by saiyans | 2016-04-30 22:30 | 将棋
2016年 01月 27日

棋譜並べは将棋学習の本質だと気づいた


棋力の上昇がこれまで無かったのは、棋譜並べを怠ってきたからだ。

パソコンの将棋盤を見ながら実際の盤に駒を並べるのも現代版の棋譜並べだが、もう一つディスプレイを用意してデュアル・ディスプレイにし、片方の画面に将棋盤を映しつつ、それを再生しながら、もう一つのディスプレイに出力した将棋盤の駒をマウスで摘まみつつ、一手一手動かしていくのが、本筋の勉強法だと思う。


Bonanza6.0対Bonanza6.0の30秒将棋を観戦し終わったら、それをKIF2形式で保存し、「柿木将棋Ⅸ」に出力する。そして一手30秒ぐらいのスピードで自動再生しながら、もう一方の将棋盤で並べるのだ。棋譜並べは量より質。1日3局とかではなく、質の高い、良い1局を1日かけて学んだ方が効果的だ。

「柿木将棋Ⅸ」の上方にある矢印ボタンをクリックして手を進めながら、棋譜を確認するだけでは、脳が覚えない。これは読み書きでも同じだった。実際にノートに何度も書くことで書けるようになったのだ。将棋も筋が良くなるためには、実際に盤に駒を打ち付けて学ぶか、駒をクリック移動させながら自分でもディスプレイ上の駒を動かし、手順を追って行かないと、いつまで経っても将棋の感覚が身に付かない。

最初の頃は、強い相手と指していれば自然に強くなっていくのだと思っていたが、全然、強くならなかった体験が、勉強法の改善に着手するキッカケだった。

でもやはり、局面の理解が、ある程度できない内は、棋譜並べをやらない方がいい。ルール通り指せるようになって、詰み形や、序盤の作戦がある程度立てられるようになり、金と銀の動きの違いによる使い分けなどを理解した後で始める。アマ初段ぐらいからでいいという人もいるが、五級くらいあればもう充分で、いつでも棋譜並べの準備が整っている。

先に手を進めて、まず答えを見てから、それを熟考して学ぶやり方と、手を先に進める前に、充分先を読んでから答えを見るやり方では、後者の方が優れていると思う。自分の甘い感覚を後で軌道修正することになるから。間違いから学ぶ方が強烈な教訓として残り、その後の悪手を誘発しづらい。これは人生のキーポイントだろう。


勉強法には詰将棋を重要視する向きもあるが、宮田敦六段がタイトルを獲れないことからして、部分図だけに焦点を当てる勉強法も、ほどほどがいいのだと分かる。同じ所司門下でも、棋譜並べを重視した渡辺明さんはタイトル争いの常連で、羽生世代を全員撃破し、この世の春を謳歌しているのを見ると、序盤から中盤、そして終盤へと繋がる、流れるような一連の手順を再現することにこそ、将棋学の神髄が隠されているのだ。

部分図重視の、点で捉える将棋と、全体を見渡して、線で捉える将棋の違いにより、吉凶が分かれている。序盤の流れからして、「次はこういう流れで行けばいい」という構想力を備えた棋士と、全体を見ることなく、いきなり終盤から始まり、王手の連続しかそこにない将棋では、偏りが出ても当然だ。

もちろん詰将棋も大事だが、そこには序盤からの紆余曲折もなく、映画で言えば、いきなりエンディングから見始めるような、将棋の違いがある。




参考資料

「羽生善治-考える力」 宝島社文庫
羽生善治 著

「ボナンザ VS 勝負脳 - 最強将棋ソフトは人間を超えるか」 (角川 one テーマ21)
渡辺明 著 保木邦仁 著

「勝負心」 (文春新書 950) 文藝春秋
渡辺明 著

「将棋世界」 日本将棋連盟
里見香奈 インタビュー


天童佐藤敬商店 将棋盤・駒の販売店

「柿木将棋Ⅸ V9.24」

「Bonanza用GUI マイボナ」

[PR]

by saiyans | 2016-01-27 00:00 | 将棋
2015年 11月 27日

将棋のレーティングについて


丸山忠久さんは米長邦雄さんの自宅で開かれていた研究会で

「10秒将棋をやっていると将棋がおかしくなります。せめて30秒将棋にしてください」と米長さんに進言していたそうだ。

羽生善治さんもそれに対し、「私も同意見です。手が荒れると思いますけど」と答えていた。

佐藤康光、森内俊之、羽生善治の島研組は、ブログやツイッターをやっていない。渡辺明さんはブログはやるが、ツイッターはやらない。里見香奈さんもタイトルを獲るようになってからブログを止めている。

瀬川晶司さんは現在、五段昇段で頭打ちになってしまっている。ツイッターのやり過ぎが原因だと思う。「プロになりたいです」と連盟に申し入れるのではなく、「名人になりたいです」と宣言しておけばよかったのだ。谷川浩司さんも小学校の卒業文集に「将棋名人だ」と宣言しており、野球のイチローもプロになると書いていた。瀬川さんは卒業文集に「将棋のプロになる」と書いた後、「その道は厳しい」とも書いてしまったため、事実、プロ入りまでの道のりが苦しくなってしまっていた。小学校時代はまだ心が純粋なため、祈りが神に届き易い。限りなくポジティブな願いを書かないといけない。

私がブログ(日記)を書くのは、書く時間があるからだが、トップ・プロたちには無いのだ。以前はツイッターもやっていたが、明らかにエネルギーがそっちに行ってしまい、ほかの仕事に支障が出ていたため、2014年2月いっぱいで止めた。


「将棋クラブ24」の対局は1手30秒とすると、手が荒れる可能性がある。つまり羽生さんはあまりやっていないと思う。里見香奈さんはネットで指すことはあっても、レーティングが自分と同じくらいか、上の人と指すようにしていると言っていた。将棋の勉強は大山康晴さんの棋譜を並べているそうだが、大山さんは、遠回りに指しているように見えても、いつの間にか全ての駒を働かせているという特技の持ち主だったので、素晴らしい大局観の養成に有効だと思う。


2007年当時、将棋ソフト「Bonanza3.0」は仮想レーティングが2800点と言われていた。

「Bonanza4.1.3」はそれから2年後に発表されたが、評価関数の調整に用いられたCPUは3.1Ghzの8コアだった。この頃の保木邦仁さんは専用マシンを協賛会社から供給されているとは言っても、まだプライベーターのような位置付けで、持参したマシンも「ワークス仕様」とは言えなかった。でも、この時点で「4.1.3」は2900点くらいのレーティングだったのは間違いない。その後2011年に発表された「Bonanza6.0」はレーティングが3000点越えだったが、「4.1.3」と10戦して「6.0」の7勝3敗だった。

2900点と3000点では100点しか違わないが、これだけで通算勝率には差が出るのだ。羽生さんがタイトル戦にいつも君臨しているのは、レーティング3000点台の実力を維持する工夫努力をキープしているためだろう。それかレーティングの値というのは1度獲得すると50代くらいまで変わらない財産になるのかもしれない。普通の奨励会員が10時間勉強するところを12時間~16時間やっていたとか、人間の吸収力が停止する30歳までに、勉強できるだけ勉強してきたのだ。おそらく30歳までは根っ子から吸収できるのが、それを超えると枝葉に水をやるような一時的吸収に変わる。若い時間を無駄にしてはいけないと言われるのは、このことを指しているのだ。渡辺明さんが羽生さんとの初めてのタイトル戦後に猛然と勉強に取り組んだその時間というのは、奨励会員の平均勉強時間を超える凄まじい努力精進だったに違いない。それによって一生の財産足るレーティング3000点台の棋力を手に入れたのだ。

a0311886_1417191.jpg

a0311886_14305853.jpg


Bonanza3.0は保木さんのサイトからのダウンロード版だと1コアのみの限定仕様だが、マグノリア社から発売されていたBonanza3.0は8コアに対応していた。

説明書には「4コアまで対応します」と書かれていたが、実際には8コアまでだった。

当時 私が所有していたノートPCはメモリ768MBのシングルコア・1.3Ghzで、Bonanzaの真価を発揮できないでいたため、近くのKs電気まで出かけて行ってCorei7搭載パソコンに「Bonanza3.0」をインストールさせてもらい、コア数を決めるプルダウン・メニューを押したら、8コアまで出ていた。対局させてタスクマネージャーを開いたら、8コアが全開で稼働していた。石丸電気の店員さんにもお願いして、Corei3搭載パソコンにインストールさせてもらい、その強さを堪能していた。

その後自作PCを組んで対局させたところ、「3.0」対「6.0」では、これは手合い違いで、10戦やって「6.0」の全勝。この時はAMDのA6-3670・2.7Ghz・4コアCPUだったが、角落ちでも「3.0」は「6.0」に勝てなかった。飛車落ちでも負けたりしていた。2800点と3000点では200点違うが、これだけでこの結果だった。

奨励会三段のレーティングは大体2700点台と言われているが、これはプロになりたての新四段と大して変わらないそうだ。しかしプロは公式戦で5時間ほどの対局時間を与えられるため、その読みの蓄積が三段との差になって現われるのだろう。

じわじわと現れ出すのが詰将棋集「図巧」「無双」に取り組んだという経験だと思う。佐藤天彦さんがあの若さで八段に昇段できたり、タイトル戦で羽生さんと渡り合えたのも、江戸時代の先人たちが残してくれた詰将棋の至宝があったからこそなのだ。

その中の「寿」という作品に至っては611手詰という長手数なため、思わず尻込みしてしまうが、羽生さんや森内さんたちトップ・プロはこれに取り組んでいた。「寿」は途中で繰り返しの箇所もあるので、それほど難解ではありません、と森内さんは言っていた。


十六世名人の中原誠さんによると

「私の経験では、若い頃はハッキリと鮮明に見えていた頭の中の映像が、薄暗くなってきて、次第にぼんやりとしか見えなくなってきました。45歳から50歳くらいにそういう部分での衰えというのが、感じられたような気がします」 ということだった。


羽生さんは今45歳だから、記憶力が鮮明な若手世代に負けだす年頃なのに、未だにトップを維持している。清水市代さんは46歳だが、既に若手の里見香奈さんたちにタイトルを奪われており、中原さんの言葉を裏付ける結果となっている。

羽生さんは他のプロ棋士たちと何が違うのだろうか?羽生さんは以前、大山康晴さんと実際に対局してみた印象を、手を読んでいないように見えても、ちゃんと急所に手が行っている。まさに職人芸だった、というようなことを言っていたが、自分自身がもう職人芸の域にいるのだと思う。

羽生さんは一般棋戦での対局以外に、タイトル戦も多くこなすため、これが下位クラスの棋士たちとの差になっているのだ。

名人戦や竜王戦の持ち時間8時間、9時間の対局が、あたかも奨励会三段と新四段の差のように、下位棋士たちとの差になっているのだ。大山康晴さん、中原誠さん共にタイトル戦経験が多く、その中で得た経験値が、1手でも深く読んだ方が勝つというギリギリの経験を経た者だけが持つ輝きというのが、厳然と存在しているのだ。

現在まで、過去の年間勝率トップは中原誠さんの8割5分5厘で、これは羽生さんをもってしても破られていない。中原さんは対局の際の心構えとして、昔お父さんに教えられたことが記憶に残っていると言っていた。

それは

「まこ、負けた時にくやしいのは相手が人間だと思うからだ。自分は将棋の神様に教えてもらっているんだと思いなさい」というものだった。


7冠達成以降、羽生さんは2700点台のC級2組に対して、2009年時点で40勝4敗。6組には13勝1敗と勝ち越しており、これはレーティングの差が出ていると思う。

大山康晴さんは1000勝達成時の通算勝率が6割8分7厘。

対して羽生さんは1000勝達成時の通算勝率7割2分8厘。


大山さんと羽生さんはどちらも永世名人で、2人の内どちらの棋譜を並べようかと迷うが、「良い将棋は時代を超える」ということで、どちらも並べるのが良いと思う。

インド占星術ソフトで2人の木星期を確認し、その時期に指された将棋に特化して並べるのもいいかもしれない。この時期は木星による運の後押しもあって、誰がやっても勝てなかったはずだ。でも、大山さんと羽生さんの正確な誕生時刻が分からないので、アセンダント(生まれた時に東の地平線上に見えた星座)を特定するのは無理かな。


[PR]

by saiyans | 2015-11-27 14:34 | 将棋
2015年 06月 02日

均衡を保つ相補的な関係の中に、人生の真理はあると思った


普通、将棋棋士同士でも、九段と八段の対局と聞くと、格上と格下の戦いという印象は否めない。

九段同士でも、その日の体調や条件に左右されて終始均衡の保たれた対局は望めないかもしれない。

でもBonanza6.0同士なら先手・後手共に力が対等だから、均衡を保った将棋を指せる。

その日のバイオリズムとか、人間にある不確定要素を排除して対等の棋力の者同士が対局する場面を見てみたいという観戦者の欲望を満たせる時代に突入したのだと思う。

でも、人間の最高峰レベルである名人・竜王と、コンピュータ将棋ソフトが対等になったかというと、怪しい部分がある。

コンピュータ将棋は入玉将棋に弱いのだ。確かに序盤、中盤、終盤へと、流れるようなその手に澱みはなく、美しい将棋を指すようになったのだが、プロ棋士の棋譜データで機械学習しているため、序・中盤の指し手の精度は飛躍的に上がったとしても、プロの対局でも頻繁には現われない入玉将棋になると、プロレベルの棋譜データが少ないために学習できず、弱点を補強できない。こうなるとコンピュータが自力で解を見つけ出さないといけないため、良い見本を学べないコンピュータは前進できないのだ。

コンピュータ将棋は強くなったと言っても、それはプロの棋譜データの恩恵を多大に受けているからであり、決してプログラマー単体の努力で成果を収めているわけじゃない。将棋棋士とプログラマーという、チーム体制で開発に挑んでいるからこそ強いのだ。

たまに技術者の中には、それがあたかも自力で生じさせた成果であるかのように語る人もいるようだが、とんでもない勘違いだ。自分も全体の中で1つの役割を果たしているメンバーの1人に過ぎないのだ。

コンピュータ将棋が人間に勝った時に喜ぶのは、我が子の成長に感動する親の如き立場にあるプロ棋士たちであり、開発に貢献できたことに誇りを持てるプログラマーたちであり、それを享受する市民全体がもたらす1つとしての喜びなのだ。良い物を次世代に残せるという無自覚的な達成感だ。

これからは公教育もマスメディアも、何か良い物を次世代に残せるように、不浄なプログラムを浄化し、各分野の最適化を推し進めていかなければならないと思う。 

[PR]

by saiyans | 2015-06-02 02:02 | 将棋