ラーマの日記

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カテゴリ:コンピュータ将棋( 1 )


2018年 03月 17日

BONANZAに魅かれる理由


ビートルズとYMOの存在に重ね合わせてみると、納得できた。

彼らよりも演奏技術のある人たちがコピーバンドを組んでCDを出しても私は聴かないし、買わないだろうと思う。オリジナルに拘る性格なのだ。

ビートルズはあの四人でなければならず、YMOはあの三人でなければ受け付けない。唯一無二の存在感を放つ者に魅かれる。


保木邦仁という人の存在感はビートルズとYMOのそれに近い。だから私は「森田将棋」、「金沢将棋」、「BONANZA」を愛してやまないのだと分かった。

BONANZAはまた「棋士」と言われる人の強さを見せつけたソフトでもある。

8コアのマルチコア・プロセッサを相手に、頭脳一つ(1コア)の人間が勝利を収めたことに驚愕した。

渡辺明さんが勝利することで、普段渡辺さんに勝ったりしている羽生善治さんや佐藤康光さん、森内俊之さんの強さが予想できたのだ。


対局に使われたマシンも、私にとってはビートルズのアビー・ロード・スタジオのようなもので、忘れられない記憶になった。

Windows XP 64bit Edition とCore2Quad並みのCPUが2つで8コアというのも、いつかは真似したいと思っているが、一つ疑問がある。

それは例えば、1コア 対 4コアの対局で1コアが勝ったり、2コア 対 4コアの対局で2コアが勝つのを何度も見たり、「角落ち」の側が平手側に勝つのを見てきたこと。

おそらくソフトウェアが高度に最適化され、評価関数がビシッと決まった場合、コア数に依存しない強さを発揮するのではないか?というものだ。

BONANZAは棋士と同様に、数ある指し手の中から三手にフォーカスを絞り込み、最善手を決定すると著書の中で保木さんは述べていたと思うが、多分Ver6.0くらい最適化されると、どの局面も一手~二手に絞り込んで決定していくから先の先まで読むことができて、勝利するのではないかと思われる。


昔、米長邦雄さんが若手棋士を集めて研究会を開いたりしていたのは、彼らが生み出す新手の感覚を吸収し、実戦の場で活かしたいという狙いがあったと思うが、これは谷川浩司さんも山崎隆之さんを研究会に招いた理由と同じだと思う。

「丸山ワクチン」、「山崎流」など、新手の創出というのはとても難しいものだというのは、棋士たちの話を聞いていても分かる。その壁の突破をBONANZAは簡単にやってのけているように見えるので、本当に保木さんのアイデアは将棋界に真の貢献ができた数少ない例だと思う。

以前は奨励会三段を研究会に招いて新手を教えてもらったりしていたかもしれない高段の棋士たちも、現在はBONANZAに教えてもらう場面があるかもしれない。

それは例えば、昔は手作業で井戸掘りをしていたところを、固い岩盤を打ち抜くために機械を用いるようになったことと同じかな。

以前なら研究が途中で頓挫していたところを、マシンの手を借りることで突破し、理想的な方法論を見つけていくのが、現代将棋の新定跡なのだと思う。




参考資料

「将棋世界」 日本将棋連盟

「頭脳勝負」― 将棋の世界 ちくま新書 筑摩書房
渡辺明 著

「勝負心」 (文春新書 950) 文藝春秋
渡辺明 著

「ボナンザ VS 勝負脳 - 最強将棋ソフトは人間を超えるか」 (角川 one テーマ21)
渡辺明 著 保木邦仁 著

NHK衛星第2テレビ『運命の一手 渡辺竜王 VS 人工知能・ボナンザ』2007年放送

NHK BS hi 「100年インタビュー羽生善治」 NHKエンタープライズ

「集中力」(角川 one テーマ21)角川書店
谷川 浩司 著

「構想力」(角川 one テーマ21)角川書店
谷川 浩司 著

「先を読む頭脳」 新潮文庫
羽生 善治 著 松原 仁 著 伊藤 毅志 著

「将棋世界ムック第3回 将棋電王戦公式ガイドブック」 マイナビムック
将棋世界編集部ほか著 

「情熱大陸」[DVD]
販売元:ジェネオン エンタテインメント
出演:羽生善治・渡辺明・佐藤康光・谷川浩司

「人生、惚れてこそ-知的競争力の秘密」 クレスト社
米長 邦雄 著 羽生 善治 著

「運を育てる―肝心なのは負けたあと」 クレスト社
米長 邦雄 著

「ドンファン・シリーズ」 二見書房
カルロス・カスタネダ 著 真崎 義博 翻訳


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by saiyans | 2018-03-17 22:23 | コンピュータ将棋